公務員を目指す

 配属後、研修を受けたり、現場実習をしたりしながら6月となりました。初めての社会人生活に一定の充実感も感じていましたが、周りの様子を見たり話を聞くと私は高専卒事業所採用であるため、大卒本社採用とキャリアコースが異なり、ジョブローテーションはなく基本的にはずっと同じ部署で同じ仕事を続けていくことになることがわかりました。また、課長以上の役職に就くことも困難であることもわかりました。そのため、このままでいいのか、何か行動しなければと真剣に悩むようになりました。

 休日は同期と遊んだりせずに一人で高松市に行って書店を巡ったりして一人の時間を過ごすことがほとんどでした。高専時代は勉強が得意でも好きでもなかったにも関わらず働き始めて書店に行き、公務員や大学受験の参考書を眺めると「学生時代にもっと自分から勉強しておけばよかったな」と考えることも多くなりました。

 そんな中興味を持ったのが公務員試験で、受験資格に学歴は関係なく大卒レベルの公務員試験に合格して転職すれば大卒並みの評価を得られるのではないかと考えました。そして、艦船が好きだった私は公務員試験の中でも海上自衛隊幹部候補生という試験に挑戦しようと思いました。この試験に合格して幹部自衛官になれば将来が大きく変えられるという期待が大きくなっていきました。

 早速、過去問集や試験に出る科目(社会や地理、化学など)の参考書を購入して毎日夜遅くまで勉強するようになりました。高専時代テスト前にならなければ自発的に勉強しなかった私が本気で将来を変えるために勉強に打ち込むようになっていきました。そして、高専時代授業についていけなかった物理や数学を改めて勉強して理解してみてると勉強が面白いと思うようになりました。