高専での就職活動その1

 高専生活も4年に入ると進路について考える時期になります。高専は5年で卒業し、私の学科では、その後、クラスの約3分の2は企業に就職し、残りは大学や専攻科に進学していました。

 私は当時、大学や専攻科には全くと言っていい程興味がなく、調べることすらしていませんでした。そして、進路は船や飛行機に関われる会社(有名な重工業や航空会社)に入れればよいと浅く考えていました。

 私の成績は就職希望組の中では良い方だったことや、先生が言った「高専卒は大卒と同等」や「企業から引く手あまた」という言葉を何ら深く考えず信じ込み、拡大解釈して自分の能力や立場を過信していました。そして、そのまま成り行きに任せていれば、学校推薦で有名企業に入り、好きな乗り物に関わって大卒以上の活躍できると本気で考えていました。

 今振り返ると、船や飛行機が好きでそれを仕事にしたいなら、どの会社に入るかだけでなく、そこでどのような働き方(例えば、総合職としてリーダーを目指す、現場で職人を目指すなど)がしたくて、そのために何が必要か(例えば、研究や開発がしたいなら大学院に進むなど)まで考えるべきでした。