高専での就職活動その5(航空整備会社最終面接)

 一次面接に合格して、航空整備士への道へ一歩前進しました。それからしばらくして、いよいよ最終面接に臨みました。場所は伊丹空港の整備工場の事務所で、飛行機で伊丹空港に前日入りして空港で一日を過ごしました。売店をまわって飛行機グッズをみたり、屋上で離着陸する飛行機を眺めたり、面接会場まで歩いてみたりしながら過ごし、その晩は伊丹空港内のおしゃれなホテルに泊まりました。

 そして当日、面接会場へ到着すると、一次面接で顔見知りになった数人と待合室で一緒になりました。少し話すと、高専生や大学の航空学科から来たとのことでした。まずは、小論文を書きました。テーマはたしか「〇〇〇グループが発展するために必要なことを自分で決めたキーワードを使って作文」するという内容でした。私はそのとき話題になっていた「ボーイング787」をキーワードにして、「燃費のよい中小型機を中心に事業を展開する」という内容を書きました。

 そして、いよいよ最終面接。面接では一次面接と同様に志望動機など鉄板の内容を聞かれた他、「チームワークに自信があるか」といった質問がありました。私は高専で部活に入っていなかったので中学での部活(卓球)の経験を交えて説明しました。今思えばあまりいい回答ではありませんでした。とはいえ、大きな失敗もなく無事に最終面接を終えて、再びやりきったという感触を得て帰りの飛行機に乗って九州に帰りました。

 それからしばらくして、最終面接の結果発表の日がやってきました。結果は先生を通じて伝えられるとのことだったので、放課後まで飛行機グッズを触ったりしてそわそわしながら友達数人と先生が来るのを教室で待ちました。

 そして、ついに先生が来て言いました。「だめやった。悪くなかったんだけど競争が激しかった。次行こう。もう残ってる会社すくないけど。」

 こうして、航空整備士への道は潰えました。その日はショックと混乱で、航空専門学校に入学することを考えたり右往左往しながら帰宅して寝込みました。次の日も母に「学校に行きたくない」といいましたが、一蹴され登校。同じクラスの多くが進路が決まるなか、惨めな気持ちでいっぱいになりました。しかし、立ち止まっている暇はありません。