大学の授業とテスト

大学3年生に編入し、電気系から機械系に専攻を変えましたが高専時代の忙しさと比べると余裕のある大学生活となりました。大学3年生で受ける授業内容は、数学や物理ように机でひたすら計算するような科目は少なく、自然エネルギーの利用についてプレゼンしたり、製図やグループでの実験、工作機械を使ったものづくりなど実践的な科目が多かったです。これらは、高専でも経験していて製図やものづくりが得意だったので楽しく取り組むことができました。

一方で2年生と一緒に受けた材料力学や流体力学は長時間授業を聞いたり計算したりしてテストもそれなりに大変でしたが、高専のように2週間で10科目以のテストを一気にすることはなく、2、3日に1科目くらいのペースだったので高専のテストと比べるとかなり楽でした。そして、社会人から大学に編入して勉強することが楽しかったことと勢いがあったのでクラス順位は約40人中なんと2位になりました。約40人中20番前後を行き来していた高専時代から大きく状況を変えることができました。

また、大学では時間に余裕があったので勉強以外の取り組みとして人力飛行機製作チームで夕方から夜遅くまで人力飛行機の製作に取り組みました。そこで同級生はもちろん先輩、後輩との繋がりもできたのでとても良い経験になりました。さらに、その年は有名な鳥人間コンテストに出場したので琵琶湖で仲間と人力飛行機を飛ばすという最高の思い出を作ることができました。

高専生(編入生)へのアドバイスとしては、高専から大学に編入するとスケジュールに余裕ができるので勉強だけではなくサークル活動やアルバイトなど何でもよいので課外活動にも取り組んでみるとよいと思います。就職活動に役立つのもありますが、勉強だけ頑張っても人間として成長することは難しく(高専時代の私がそうでした)、人間として成長していなければいずれ仕事やプライベートで行き詰まって乗り越えられなくなってしまうと思います。私は学生時代にキラキラした恋愛ができていたらと今でも後悔しています(笑)。

 

大学生活スタート

会社を退職して2か月の充電期間もあっという間に過ぎて、ついに大学に入学しました。3年次編入ですが入学式にも参加して大学に入学した実感を噛み締めました。そして、他の新入生と同様にサークルの見学に行ったりしました。その中で、鳥人間コンテストで有名な人力飛行機製作チームの見学に行ったときチームの代表が私が編入する学科の同級生であったため友達になりました。そのことがきっかけで人力飛行機製作チームに参加して、編入した学科にもすぐに溶け込むことができました。

話は変わって、単位認定の話をします。私の高専での学科は電気電子工学科で、編入した学科は機械系と、学科を大きく変えての編入となりました。ですが、単位認定では高専時代の単位が多く認められて余裕のある学生生活を送ることができました。一方で流体力学、材料力学、運動学など機械系の重要科目は単位が認められないので2年生と一緒に授業を受けました。しかし、私はこれらを勉強するために学科を変えて編入したので授業を受けて勉強することを心の底から楽しみました。

意外と大変だったのが第二外国語高専で相当する科目がなかったので単位は認められず、1年生と一緒に週2コマのドイツ語の授業を履修しました。

また、人力飛行機製作チームの先輩には高専の情報系から機械系学科に編入した先輩もいました。この先輩も言っていたことですが、高専の授業は大学レベルに近いので同じ系統の学科に編入しても高専での授業と内容が被ることも多く新鮮味に欠けることもあります。学科を変えても意外と何とかなる(それなりに忙しいですが)ので高専での専門科目で物足りない人は思い切って学科を変えて編入して視野を広げてみてもいいかもしれません。

退職から入学まで

退職翌日の朝に引越し業者のトラックに同乗して出発して九州の実家に到着したのは深夜0時頃になっていました。そして、実家のコタツに入ってインスタントラーメンを食べて退職に関する諸々の出来事が終わったことに安堵しました。

それから少しして、お腹周りに発疹ができて痛かったので皮膚科に行ったところ帯状疱疹と診断されました。先生曰く「帯状疱疹は高齢者に多い病気でこの若さでなるのは相当なストレスがあったのでは」とのことで、退職時のストレスが体にまで現れてしまいました。しかし、しばらく安静にしてるとだんだんと発疹も回復してきました。

しかし、まだまだ災難は続きます。ロードバイクで道を走っているとき、前を走っていた車が道路わきの家に入ろうとウインカーも出さず突然左に曲がり、私は車の側面に突っ込み、宙を舞って転倒してしまいました。ケガは体中の擦り傷に加えて、サイドミラーが顎に直撃して口の中までに達する切り傷を負ってしまいました。

そんな災難もありましたが、退職して大学に入学するまでの2か月間は九州での生活をしっかりと楽しみ、新生活に向けて家具や服を揃えたり、電気の勉強をしたりなどして過ごしました。この期間は安らぎと休息の期間だったと振り返ります。

高専卒で入社した会社を退職

グループ長に退職の意思を伝えて少し経った正月休み前にグループ長に別室に呼ばれ、退職を承認することと退職日を1月下旬とすることを伝えられました。時間がたって冷静になったのかこの時は怒られることはありませんでした。

そして、正月休みは九州の実家に帰省して、1月下旬に退職して一旦、九州の実家に荷物と共に戻って3月下旬まで過ごし、そして大学近くに引っ越すことを決めました。大学合格からしばらく経って家族も大学進学の準備に協力してくれました。

そして、正月休み明けの1月、月末までに退職するにも関わらず、業務改善活動のリーダーになったり、進水直前の船の施工要領を完成させないといけないなど残業務を多く抱えていました。先輩やグループ長に絞られながら毎日夜遅くまで残業務に取り組み、有給消化どころではありませんでした。

そして、最終勤務日を迎えましたが残業務の方は終わらず、グループ長に怒られた末、残りは先輩にやってもらうという消化不良の形で業務を終えてしまいました。また、事業所採用担当者の怖めの兄ちゃんに呼び出され、「お前の学校からはもう採用できない」などとかなり怒られました。そんな感じで歯切れの悪い最終出勤日となってしまい精神的にきつかったことを覚えています。

しかし、最終出勤日の後、ささやかながらグループで送別会をしてもらいました。残業務での精神的疲労とお酒で満身創痍の状態で寮に戻り倒れるように寝ました。翌日の朝はすぐに引っ越しだったので慌ただしく荷物の運び出しをしました。引っ越し業者は小さい業者でいろいろ融通が利いたこともあり、引っ越し業者のトラックに同乗させてもらって荷物と一緒に九州に帰ることになっていました。そして、逃げるようにトラックに乗って寮を出発しました。トラックが動き出したとき、これまでの怒涛のような出来事から解放された気分になってようやく安堵しました。

住まい探し

木曜日にグループ長に退職の意思を伝えて、翌日の金曜日を何事もなく終えました。さらに、その翌日からの3連休を使って大学の近くに行って住まい探しをしました。

住まいの第1希望は学生寮で申し込みも済ませていましたが、寮の選考に落ちたときに備えてアパートの仮予約をしようと考えていました。土曜日は大学生協の住まい相談窓口に行って物件を見せてもらい、仮予約まで終えることができました。このとき大学のキャンパスもゆっくり見ることができ、これから始まる大学生活に期待を膨らませることができました。

その夜は、大学から少し離れた街中でデパートや雑貨店を巡って一泊して、日曜日は観光地を巡って楽しみました。こうして、退職交渉の現実から少し離れてリフレッシュしてきました。

 

退職交渉

退職の手続きの流れを確認して、あとは上司に退職の相談をするだけになりました。当時の私の状況ですが直属の上司がいて、さらに、その上司としてグループ長がいるという状況でした。

退職を切り出すタイミングとしては、12月に入学手続きをして大学への入学が確定したので12月中に退職の相談をするつもりでいました。さらに、大学への入学準備に1、2か月程時間が欲しかったのもこのタイミングにした理由です。また、就業規則では例えば、「退職前1か月前までに申し出ること」などと定められていることが多いのでよく確認しておくべきです。

本来なら直属の上司を別室に呼び出してそこで退職を切り出すべきですが、直属の上司は高齢かつ体調不良気味で会社にいる時間が少なく、グループ長と二人きりになったタイミングでグループ長に退職の意思を伝えることにしました。グループ長は体育会系で私にとって怖いタイプであったこともあり、当時の私には別室に呼び出す勇気がなく、二人きりになったタイミングでさらっと伝えたいという臆病な気持ちのため、なかなか、そのようなタイミングを掴むことができませんでした。そんな中、12月下旬の木曜日に残業で事務所に残っているのがグループ長と私だけという状況になったので、ここで言わないともうチャンスがないと思ってグループ長の帰り際に声を掛けました。

そして、「大学進学を目指していたこと」、「大学編入試験に合格したこと」、「4月の大学入学までに退職したいこと」を伝えました。

すると、「仮面(浪人)してたってことか?」、「代わりの人をお前が用意するんか?」、「詐欺じゃないか」などとかなり怒られました。

確かに会社にとっては学校推薦で採用して教育して、まだ一人前として成果を出しているわけではないのに、勝手な理由ですぐ辞められたらたまったものではありません。高専時代の私のいい加減な進路選択の結果なので甘んじて受け止めました。

さらに、グループ長は怒った様子で「明日部長に話する」と言って帰っていきました。部長は厳格なタイプなので、明日また呼び出されて今日よりもさらに怒られると思いました。

その日の夜は翌日出社したときに何が起こるのか、会社を敵に回してしまいどうなるのかと思い、恐怖でほとんど眠れませんでした。色々考え不安に苛まれながら翌日になり、思い足取りで出社しました。

しかし、その日は心配していたことは何も起こらずいつもの一日が普通に過ぎていきました。

 

退職に向けた準備

入社2年目の6月に働きながら受験した大学編入試験に合格して、季節が巡って12月になりました。このタイミングで大学から入学手続きの書類が送られてきたため、入学手続きと入学金の納付も済ませました。こうして、大学に入学することが完全に確定しました。そのため、退職の意思を会社に伝えるのもこのタイミングだろうと考えて準備に取り掛かりました。しかし、私にとって初めての退職でどんな手続きがあってどう進めるのかわからなかったので、「会社を辞める時の手続き完全ガイド」を購入して手続き内容を確認しました。

しかし、本書は現在、最新版が発行されていないので、現在購入するなら「会社を辞める時の手続きマル得ガイド」あたりがよいかと思います。